第6回 「ミラノサローネから見る今年のトレンドカラー」ミラノサローネ2024リポート
ミラノサローネ2024のインテリアカラートレンドを紹介
世界中から最新のインテリアトレンドが集まるミラノサローネ。
今後のインテリアの参考として取り入れたいのが、インテリアカラーです。今回は、そんなミラノサローネ2024から読み解く、インテリアカラートレンドについてご紹介します。
1.グレーカラーの終焉
今年のミラノサローネでは、近年日本で人気のグレーカラーが少なくなっていました。
ニュートラルカラーとして明度の高いグレー(ホワイトに近い明るいグレー)は、まだ存在はしていましたが、逆に明度の低いグレー(ブラックに近い濃いグレー)のインテリアはわずかでした。
ミラノサローネは、インテリア分野で世界に影響を与える展示会ですので、今後日本もその影響を受け、グレーインテリアは数年後には減少していくのではないかと思われます。
非常に少なくなっていたグレー系のインテリア↓↓↓
KAMIYAでもその傾向を感じています。
実は、2016年1月に建材業界で初のグレーの木目柄「アイリッシュグレー」を発表いたしました。
このドアカラーは、今までにないスタイリッシュなインテリアを求められるお客様からご好評いただき、2023年8月末をもって生産を終了しました。発売当初は日本の市場にあまりない色で、他のインテリアカラーとの組み合わせを考える必要があり、おしゃれな方が選ばれるドアでしたが、その後徐々に浸透し7年8か月と言う長きにわたり愛されてきました。
約8年間、愛されてきたアイリッシュグレー↓↓↓
「アイリッシュグレー」の生産終了に伴い、2023年9月より「ストーンホワイト」を新たにラインナップに加えました。
「ストーンホワイト」は、ニュートラルカラーとグレージュを掛け合わせた、薄いグレージュ色の単色です。現在のインテリアトレンドに合わせやすく、多くのお客様にご好評いただいております。
落ち着きのある「ストーンホワイト」のドアが配置されたインテリア↓↓↓
また、グレーと相性の良いブルーも同じく減少し、その代わりにやさしい色合いのアースカラーが主流となっていました。
優しい色の組み合わせ アースカラーのインテリア↓↓↓
今年のトレンドカラーが配色された家具!↓↓↓
ここで、ちょっと補足ですが、ニュートラルカラーとはどれでも合わせやすい色の事で、黒、白、グレーの無彩色ややさしい色合いのベージュ、アイボリー、カーキなどが含まれます。
2.ホワイト系インテリアの拡大
今年のインテリアトレンドは、開放感と清潔感を重視する傾向を反映していたのか、ホワイトカラーが非常に増えていました。
特にソファーでは、ニュートラルなホワイトが圧倒的な展示数でした。これはコロナ禍を経て、自宅で過ごす時間が増え、よりリラックスできる空間を求める人が増えたからではないかと考えられます。
そしてソファー以外でも壁やラグなどはもちろんのこと、白に近いベージュやグレー、アイボリーなどがベースカラーとして使用されいて、全体的に上品でやさしく居心地の良いインテリアコーディネートでした。
3.2024年トレンドカラー
2024年のミラノサローネでは、ホワイトをベースに「自然」と「ぬくもり」をキーワードにしたカラー構成でした。
インテリア配色はこの様な感じです。
ベースカラー:
「オフホワイト」、「アイボリー」といった、どこか懐かしいような温かみのあるニュートラルカラー
アソート・アクセントカラー:
「テラコッタ」、「ブラウン」、「くすみグリーン(モスグリーン)」といった、大地を思わせるアースカラー
以下、様々なブースで見られたトレンドカラーをご紹介します。
テラコッタ
テラコッタはイタリア語で「焼いた土」と言われ、少しくすんだオレンジかかった茶色です。レンガの色より少し薄く、「うすいレンガ色」とも言われています。
2024年のミラノサローネでは、特に革が強いブランドとして有名なポルトローナフラウや、バクスター、イギリスの高級車ブランドメーカーのベントレーでは、ベースカラーとしてテラコッタを使ったインテリアが多く見られました。
ブラウン
ブラウンはベージュとは明度が異なるだけの同じ色相なので、相性が良く安定感のあるコーディネートになります。
また、この組み合わせは奥行や立体感が生まれるので、空間にメリハリ感をつける事ができます。
くすみグリーン(モスグリーン)
2024年ミラノサローネでは、アースカラーで彩度の低い色合いのインテリアが見受けられ、その中でもくすんだグリーンが目を引きました。同じくトレンドカラーのテラコッタとくすんだグリーンはお互いに引き立て合う補色の関係性で、バランスの取れた温かさと落ち着きのあるコーディネートに仕上げられていました。
毎年、トレンドカラーは徐々に変化をしています。
コロナと言う時期を経て、インテリアに心地よさを求める傾向が強いからかもしれません。刺激的な色を使うのではなく、目に優しくほっとする色合いの自然色が好まれているようです。
今回お伝えした情報が、みなさまのインテリア選びの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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第2回 「注目の家具ブランド7選」ミラノサローネ2024リポート
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第4回 「 展示会場だけじゃない!フォーリサローネの魅力について」ミラノサローネ2024リポート
第5回 「 高級感を演出するインテリアと素材5選」ミラノサローネ2024リポート
第6回 「ミラノサローネから見る今年のトレンドカラー」ミラノサローネ2024リポート(この記事)
第7回 「2024年注目のインテリア『ソファ』」ミラノサローネ2024リポート
↓この記事を書いたのは
フルハイトドア🄬
横浜ショールーム店長
浅井摂子