災害時に大事なペットを守るための10の行動
- 2020.11.06
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目次
そこで当社の社員でペットを飼っている人・以前飼っていた人に、ペット防災に取り組んでいるかどうか以下の内容でアンケートを行ってみました。
Q2. 飼っている犬や猫にマイクロチップを入れていますか? or 入れていましたか?
Q3. ペットのことを考えた防災対策を行っていますか?
Q4. 災害時におけるペットとの避難の方法である「同行避難」・「同伴避難」という言葉の違いをご存じですか?
当社社員のアンケート結果によると、家族の一員であるペットを大事にしていてもペットに関する防災対策を行っている方はまだまだ少ないことがわかりました。
日ごろから災害に備えた対策を行っていれば、いざという時に、大切なペットを守る助けになります。
そこで環境省と日本獣医師会から発行されている冊子、「マイクロチップマニュアル」・「備えよう!いつもいっしょにいたいから」・「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」をもとに「ペット防災」の対策ポイントを紹介していきます。
①日頃からの災害の備え
災害時に大事なペットを守るためにはまず飼い主が無事でいることが大前提になります。
自分の安全を確保する為にも日頃から防災対策をしておくことが大切です。
住まいの防災対策
室内で飼っている場合
・ペットが普段いる場所は家具やゲージが倒れたり落下しないように固定
・水槽は台を固定し、ガラス飛散防止フィルムを貼る
屋外で飼っている場合
・飼育場所は地震の時に破損しやすいブロック塀や、ガラス窓の下、倒れやすい建物の近くは避ける
・災害時には動物が驚いて逃げ出すことがあるため首輪や鎖が外れたり、切れたりしないか、ゲージや囲いには隙間がないか定期的に点検する
迷子札とマイクロチップ
突然の災害はペットと離れ離れになる可能性があります。
ペットが迷子になりどこかで保護されたときにすぐに飼い主がわかるように普段から身元を示す迷子札をつけるとともに、半永久的に識別可能で確実なマイクロチップを入れると安心です。
2020年6月に改正動物愛護法が施行され、ペットショップやブリーダーなどの販売業者に対して2022年6月までには販売する全ての犬・猫にマイクロチップを装着することが義務付けられました。
なので今後ペットショップから新しくペットを迎えた場合はすでにマイクロチップが入っていることが多いかもしれません。
しかしマイクロチップが入っているだけでは意味がありません。
マイクロチップの識別番号が飼い主情報と紐づけされた状態でデータベースへ登録されて初めて役に立つのです。
ペットショップがマイクロチップの識別番号と飼い主のデータを紐づけして登録団体に登録してくれているかどうかを確認すると安心です。
また、登録についてもう一つ大切なことがあります。
マイクロチップのデータベースへの登録は全国動物愛護推進協議会と日本獣医師会から構成されている「AIPO(動物ID普及推進会議)」にするのが一般的とされています。
しかしペットショップによっては他の団体のデータベースに登録するケースもあります。
実際に迷子の動物を引き取った場合、保健所や動物病院では登録数が格段に多いAIPOでデータベース検索をかけることが多く、他の団体まで検索をかけるケースは少ないようです。
せっかく登録しても、該当なしとなってしまうのでは意味がなくなってしまいます。
ペットショップにどこの団体に登録したかも合わせて確認し、場合によってはAIPOに登録し直しておくとより安心かもしれません。
AIPOへ情報登録する方法
◇ペットショップから購入した場合
①購入したペットにマイクロチップが埋め込まれているか確認
②マイクロチップが埋め込まれていたら個人識別番号がAIPOにデータ登録されているか確認
パターン1:AIPOにデータ登録済みの場合
パターン1-1:登録情報の変更をペットショップが行う
1.ペットショップから登録完了はがきやその他必要書類を受け取る
パターン1-2:登録情報の変更を自分で行う
1.ペットショップから登録完了はがきやその他書類を受け取る
2.登録完了はがきをもとに登録申請システムから情報変更を行う(無料)
3.変更完了するとはがきが届くので大事に保管する
パターン2:AIPOにデータ登録されていない場合
パターン2-1:AIPOへの登録をペットショップが行う
1.ペットショップから登録完了はがきやその他必要書類を受け取る
パターン2-2:AIPOへの登録を自分で行う
1.ペットショップから情報登録申請書受け取る
2.申請書に必要事項を記入し、登録料1050円を支払い、郵送か登録申請システムから登録作業を行う
3.登録完了するとはがきが届くので大事に保管しておく
◇別の飼い主から引き取った場合
①引き取る前の飼い主(現在登録している飼い主)に登録変更してもらうか、現在登録している飼い主の登録完了通知はがきを受け取る
②登録申請システムから情報変更を行う(無料)
③登録完了するとはがきが届くので大事に保管しておく
◇動物病院で新たに埋め込んだ場合
①動物病院で登録業務を代行しているか確認
パターン1:動物病院が登録業務を代行する場合
1.動物病院から登録完了はがきやその他必要書類を受け取る
パターン2:自分で情報登録する場合
1.動物病院から情報登録申請書受け取る
2.申請書に必要事項を記入し、登録料1050円を支払い、郵送か登録申請システムから登録作業を行う
3.登録完了するとはがきが届くので大事に保管しておく
既にペットを飼っている場合や、ペットショップではないところから迎えた場合には装着の努力義務が課せられています。
※「努力義務」とは・・・・一般の飼い主に対する装着の義務化はありませんが、「できる限り装着するように努力すること」とされます。
また、新たにマイクロチップを装着する場合は動物病院で獣医師さんに埋込んでもらいます。
(医療行為に当たるので獣医師以外は埋込むことができません)
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費用は?
埋め込み費用は動物病院によって異なりますが、3000円~1万円くらいが一般的です。
また、埋め込まれたマイクロチップに識別番号を登録する手続きに1050円かかります。
健康管理としつけ
突然の災害は人にも動物にも大きなストレスがかかります。
また避難所で迷惑にならないように、むやみに吠えない、キャリーバッグやケージに慣らしておくなどのしつけを普段からしておきましょう。
これは周りの人のためでもあると同時に、動物のストレスを少なくすることにつながります。
犬の場合
・「待て」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけ ・ゲージの中に入ることを嫌がらない ・不必要に吠えない ・人を怖がったり攻撃的にならない ・決められた場所での排泄 ・狂犬病予防接種と各種ワクチン接種 ・犬フィラリア症など寄生虫の予防、駆除 |
猫の場合
・ゲージの中に入ることを嫌がらない ・人やほかの動物を怖がらない ・猫用トイレでの排泄 ・各種ワクチン接種 ・寄生虫の予防、駆除 |
動物のための備蓄品の用意
ライフラインの寸断、緊急避難などに備え、必要な物資の備蓄をしましょう。
避難所では、人に対する準備はされていますが、飼っている動物に対する備えは基本的に飼い主の責任になります。
また、救援物資が届くまでには時間がかかります。
少なくとも、5日分は用意しておきましょう。
【優先順位1】・・・命や健康にかかわるもの ・療法食、クスリ ・フード、水(5日分以上) ・予備の首輪、リード(伸びないもの)、キャリーバック ・食器 ・ガムテープ(ゲージの補修やキャリーバックの扉が開かないように固定するなど多様に使用可能) |
【優先順位2】・・・飼い主や動物の情報 ・飼い主の連絡先 ・動物の写真 ・ワクチン接種状況 ・既往症・健康状態 ・かかりつけの動物病院 |
【優先順位3】・・・ペット用品 ・排泄物の処理用具 ・トイレ用品(猫の場合は使い慣れたトイレ砂) ・タオル、ブラシ ・おもちゃ ・洗濯ネット(猫の場合)など |
②災害が発生したときの対応
まずは自分の安全確保
まずは自分の身の安全確保をしましょう。災害時にペットを守るためにはまず飼い主が無事でいることが最も大切です。
ペットの安全確保
突然の災害では、動物もパニックになりいつもと違う行動をとることがあります。
興奮している動物に不用意に手を出して咬まれるなど思わぬけがをしないように気を付けてください。
飼い主が動転していると動物にも伝わります。飼い主が落ち着いて、普段通りの言葉をかけるなど、動物を落ち着かせるように努めてください。
落ち着いて避難の用意
室内のガラスの飛散や倒壊家具などに注意して、非常用持ち出し袋を用意し、電気のブレーカー、ガスの元栓を切ります。
犬の場合
・リードをつけて、首輪が緩んでいないか確かめる ・小型犬などはリードをつけた上でキャリーバックに入れるとよい |
猫の場合
・キャリーバックやゲージに入れる ・キャリーバックなどの扉が開かないようにガムテープで固定する |
避難場所へ
避難の指示があった時には、飼っている犬や猫などは一緒に避難する同行避難が原則となります。
災害時は人も動物も興奮していますから、普段と違った行動をとることも考えられます。
リ一ドは放さないようにしっかり持ち、キ ャリーバッグやケージはしっかり抱えて動物の安全に気を配りましょう。
「同行避難」・「同伴避難」の違い
「同行避難」・・・災害時に飼い主がペットを連れて一緒に避難することを指し、避難所でペットと一緒に過ごせるかどうかは、各自治体や避難所の判断に任されています。 |
③避難所や仮設住宅での注意点
周りの人への配慮
これまでの災害では、動物がいることによってつらい避難生活の中での心の安らぎや支えとなったという声がある一方、吠えてうるさい、咬まれた、毛が飛んで不衛生などといったことが原因となりトラブルになることもありました。
避難所にはたくさんの人が集まります。
動物が好きな人、嫌いな人、動物のアレルギーを持つ人、動物に不用意に手を出しかねない幼い子供など、多様な人々が一緒に暮らす場所ですから、動物の飼い主は普段よりも周りに配慮することが求められます。
動物の健康管理
災害時は人も動物も多大なストレスを感じていますし、物資も不足します。
免疫力が低下したり、衛生を確保することが難しい場合もあるため、人も動物も体調を崩したり病気が発生しやすくなります。
動物の排泄は決められたところでさせ、速やかに処理するなど、できる限り衛生に注意しましょう。
動物もストレス下にあるため、むやみに吠える、周りの人を怖がり攻撃的になる、食欲がなくなる、排泄をしない、下痢をするなどの問題が出てくることがあります。
体調に気を配り、不安を取り除くよう心がけましょう。
災害に巻き込まれないことが一番ですがいつ何がおこるかわかりません。
いざというときに大事なペットを守る行動ができるように日頃から対策を行うことが大切ですね。
この記事は以下の環境省・日本獣医師会から発行されている冊子をもとに作成しています。
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