新築するならこだわりたい「リビングドア」の選び方【前編】
- 2024.11.11
- ✎ 家づくりのヒント
目次
1.ガラスドアの役割
家づくりをする方の多くがリビングにはガラス入りのドアを選ばれています。そこでガラスドアにはどのような効果があるのかを3つのポイントでご紹介します。
①視界の拡張
まず最初は「視界の拡張」です。お部屋を間仕切るドアを閉じると通常はそこで視界が遮られてしまいますが、ドアをガラス戸にすることで視界の拡張効果があります。つまり、今いる部屋から隣の部屋まで見通せることで視界が広がり、それが開放感に繋がります。
②明るさの確保
二つ目は、「明るさの確保」です。ガラス戸の一番の機能はやはり光を取りこめることです。そのため、壁などで塞がれがちな居室と違ってリビングに取り入れやすく、実際に多く使われています。また、ガラス戸をつけることでリビングの光を廊下や玄関にに取り込むというケースも多いんです。南向きに設計されることが多く掃き出し窓やサッシも設置され明るくなりやすいリビングと比べて、間取り的に暗くなりがちな玄関や廊下にガラス戸からリビングの光を取り込むことで明るくできます。
③開閉時の危険回避
最後に「開閉時の危険回避」です。これは家族の出入りが一番多いリビングだからこそぜひ注意していただきたいポイントです。ガラス戸ドアにガラスが入っていればドアの向こう側に人がいることがわかるので、特に開き戸の場合ドアを開けた際に人にぶつかってしまう危険を防げます。にすると安心ですね。
このように、採光以外にもガラス戸には色々な効果がありますが、どれをとってもガラス戸は家族の集まるリビングにぴったりのドアと言えますね。では、どんなガラスドアをどんな視点選べばよいのでしょうか。ガラスドアの種類やバリエーションなどについてもお話していきます。
樹脂ガラスと本物のガラスの違い
一口にガラス戸と言っても、メーカーによって様々な違いがあります。KAMIYAでは傷のつきやすさや耐久性の問題から本物のガラスを使用していますが、樹脂製ガラス(アクリル)を使用しているメーカーも多いです。その理由として割れにくさがあると思いますが、本物のガラスでもしっかりとした厚みがあれば十分割れにくいんです。一般的な室内ドアに使用されるガラスの厚みは4~5ミリですが、フルハイトドアは室内ドアに通常使われることがない厚さ8ミリのガラスを使用しています。そのため金槌でたたいても割れない程の高い安全性を確保し、更に高級感も感じられます。
このガラスの強さに関しては強度試験をしていますのでよかったらぜひご覧ください。
また、本物のガラスかアクリルガラスなのかの簡単な見分け方があります。手で触ってみると本物のガラスは冷たいのですが、アクリルガラスは冷たさを感じません。良かったら試してみて下さい。
透明?くもり?見え方によるガラスの選び方
一般的にドアのガラスは透明ガラスかくもりガラスを選べるようになっていますが、KAMIYAのガラスは「透明」が標準でオプションとして「くもり」か「グレー」を選べるように設定されています。それぞれのガラスによってお部屋の見え方がどのように変わるのかを、ショールームで写真を撮ってみましたのでご覧ください。左から、グレー、透明、くもりです。
真ん中の透明ガラスは最も多くの光を取込めるので明るさを求める方にはこちらがおすすめです。ただしお部屋の中が丸見えになるので、間取りによってガラスのサイズを検討してください。向かって左側のグレーガラスは、明るく見える透明ガラスと比べて、少し暗めのグレー色がお部屋にシックなニュアンスを与えます。右のくもりガラスの場合は、明るさは欲しいけれど向こう側の部屋の中が丸見えになるのはちょっと・・・といった場合によく使われます。
ちなみに曇りガラスの場合は、ガラスからの距離で見え方がかなり違ってきます。下の画像のようにガラスのすぐそばにあるものは意外とよく見えますが、距離が離れるほど輪郭がぼんやりして見えにくくなりますね。もちろん透明ガラスよりは落ちますが、明るさもちゃんと取り込めます。
また、くもりガラスには「すりガラス」「型ガラス」「フロストガラス」の3種類があるんですが、KAMIYAのフルハイトドア®に使用しているガラスはもっともデザインが優れていて高価な「フロストガラス」を使用しています。フロストガラスとすりガラスの違いはおしゃれさだけではなく、機能にも違いがあるんです。すりガラスは、裏側のザラザラした面を触ると指の油が付きやすくしかも一度付着するといくら拭いてもなかなか落ちないんです。触るだけで簡単に脂が付いてしまうと日常生活では使いにくいですよね。そのためKAMIYAでは油が付着しにくいフロストガラスを使用しています。
ガラスドアの楽しみ方
様々な機能があるガラスドアですが、ここでどなたでもできる簡単なガラスドアのアレンジ方法についてお知らせしたいと思います。
こんなガラスドアはいかがでしょうか。
こちらは全てドアの透明ガラス部分にガラスシートを貼ったものです。ガラスシートには様々な種類があり、目隠しという機能だけでなくデザインも豊富です。セリアなどの100円ショップでも販売しており手軽にインテリアの変化を楽しめますのでよかったらぜひお試しください。
2.フルハイトドアのガラスバリエーション
ガラスデザインから考えるリビングドアの選び方
ガラスのデザインは幅広のものから中が見えないほど細いものまで様々です。そのため、どのような基準で選べばよいのか迷われる方も多いと思いますが、基本的にはリビング側と廊下側、それぞれどのように見えるのかを考えながら、デザイン性や機能性などを踏まえてご自身のライフスタイルに合うものを選んでいただけたらと思います。フルハイトドア®の設定ガラスについてご紹介していきますのでぜひ参考にしていただければと思います。
①KAMIYAのスルーガラスデザイン3種
一般的なガラスドアは、ガラスの周りが木で囲われているものがほとんどです。その分シャープさがなかったり、どれも似たようなイメージになってしまうというデザイン上の弱点がありました。
KAMIYAは画像のように床から天井までガラスが通ったスルーガラスデザインを開発しました。ミニマルなデザインを目指すフルハイトドア®により洗練されたデザインのガラスドアが実現しました。
床から天井まで上下に通ったスルーガラスデザイン
スルーガラスデザイン:1型
ガラス幅が最も細いのがG-1型。ガラス幅は74ミリと細めでシャープな印象です。真ん中ではなくハンドル側によっているアシンメトリーなガラスの位置が建築家の方にも好まれています。
スルーガラスデザイン:2型
シンメトリーデザインのG-2型。ドアの中央から漏れる光が天井と床をまっすぐに照らし、リビングへのアプローチがとても美しいです。
G-1型、G-2型はデザイン性のはもちろん、ほどよい開放感は必要だけどプライバシーも守りたい。そんな方におすすめです。
スルーガラスデザイン:8型
ドアを閉めていても開放感が広がるG-8型。
スルーガラスの中で最も幅の広い8型は、暗くなりがちな廊下などをリビングから差し込む光で明るくします。
安心安全なスルーガラスデザイン
スルーガラスデザインのフルハイトドア®の場合、一見何も無いように見えるドアの上部に1㎜のワイヤーを通しています。これは、ガラスを挟んでいる左右のドアパーツをワイヤーで繋ぐことで、万が一ガラスが割れた場合でもドアを脱落させないという安全へのこだわりです。デザイン性、視認性、そして安全性と全てが高い基準で揃ったガラスデザインです。
②2種類の框組デザインドア
ガラスが露出していて、シャープでクールな印象のスルーガラスと比べて、木でガラスの四方囲っている框組デザインは優しく温かみのある印象です。インテリアでもナチュラルなイメージのお部屋にはとてもよく合います。框組デザインのガラスドアは3型と9型の二種類あります。
框組デザインのガラスドアはこちらの3型と9型の二種類です。
G-3型
ガラスドアとして長く使われ、落ち着きを感じるデザインのG-3型。多くの光を取り込みながらも、ガラス戸の中で一番お求めやすい価格でコストパフォーマンスに優れているのが特徴です。ガラスが露出していてシャープでクールな印象のスルーガラスと比べて、木でガラスを四方囲っているデザインは優しく温かみのある印象で、インテリアでもナチュラルなイメージのお部屋にはとてもよく合います。
G-9型
数あるフルハイトドアの中で、ガラス面積が最大級のG-9型。このドアは一言でいうと、とにかくかっこいいドアです。ガラスの四方を囲む細い框は幅10cmに統一され、すっきりとしたミニマルデザインとなっています。
G-9型はデザイン性が高いだけではなく視界の拡張を一番実現できるドアなんです。廊下から見えるリビングの家族の様子に微笑んだり、リビングから見える自慢のエントランスを眺めたり、まるでドア越しに写真を楽しんでいる気持ちになります。
この部屋にはこんなガラス戸
ガラス戸が活躍するのはリビングだけではありません。最初にお伝えしたようにガラス戸は「明るさの確保」、「視界の拡張」、「開閉時の危険回避」といった機能をもっていますので、リビングに限らず上手く取り入れることでお洒落で明るく暮らしやすい空間になります。
①エントランスから現代風の和モダンの洋室に入るドア「Zenstyle(ゼンスタイル)」
こちらの画像は洋風のエントランスから和洋室へ入るドアにピッタリのガラス戸を選んだ実例です。
和室と洋室の間に普通のガラス戸を持ってくると、和室側に立った時にどうしても違和感が出てしまいますよね。でも格子ドアのZenStyleにオプションのガラスをつければ、洋室側から見ると「和モダンスタイルのエントランス」に、和室側から見ると「お洒落な現代風和室」という風に、どちらから見てもお部屋の空間をよりお洒落に見せるガラスドアです。
②リフォームでリビングや居室にお洒落なペットドア「Caro(カロ)」
以前、新築時にはまだペットを飼っていなかったお客様がその後ペットをお家に迎えた時に、「リビングにペットドアを設置すると、今までのリビング空間のおしゃれ感が損なわれる」と困られていたことがありました。その時におススメしたのがKAMIYAのペットドアCaroです。他にはないお洒落なペットドアなのでリビングに設置してもオシャレな雰囲気を崩すことがなく、更にペット向けの機能がしっかりついているので、人間もペットも満足できるドアです。
③中が見えないラインスリットでプライバシーの確保「G-0型」
こちらは細くて中が見えないラインスリットのG-0型です。
こちらのドアは細いスリットガラスから光を通す機能があるので、色々なお部屋で使われているのを見ますが、特におすすめなのがトイレですね。この10年でトイレという個室はすごく見直されてきました。広くなり、手洗いが別になったり、昔では考えられないくらい快適な空間になりましたね。ところがドアだけはこの30年余り全く変わって来なかったんです。画像のような丸い明かり窓がついているトイレドアを見たことありませんか?
せっかく心地良さを目指した空間なので、G-0のような誰が見てもトイレには見えないドアでデザイン性を高めることで満足度がワンランク上がります。
また、トイレの明かり窓についてはもうひとつおすすめのオプション「明かり窓C」もあります。従来の丸い明かり窓と比べてデザインがぐっと良くなっています。
また、この明かり窓Cはトイレの明かり窓のオプションとして作ったのですが、実は子供部屋でも役に立つんです。ショールームに来場されるお客様からもそういう声をいただくことがあるのですが、お子さんも成長し年頃になればプライバシーに敏感になってくると思います。そこでこの明かり窓Cのついたドアを使えば電気がついているのがわかるので、起きているのかや部屋に居る、居ないが部屋の外からわかりますね。
いかがでしたでしょうか。家族にとって大切で特別な居場所、それが「リビング」です。明るく居心地の良いリビング空間を実現するために、室内ドアは重要なポイントです。中でもガラスドアはその役割や特性を知って選ぶことで、作りたい空間により近づけることができます。前編では、ガラスドアの効果や特性、そしてフルハイトドアのガラスバリエーションをご紹介しながらガラス戸の選び方をお伝えしました。後編では、ドアカラーに着目したリビングドアの選び方をお伝えしますのでどうぞお楽しみに。