新築するならこだわりたい「リビングドア」の選び方【後編】
- 2024.11.20
- ✎ 家づくりのヒント
3.ドアカラーで変わるお部屋の明るさ
色が持っているイメージ
ドアの色選びって楽しいですよね、でもその反面「どうやって決めればよいか悩んでしまう」といった声をいただくことも多いです。「色」にはそれぞれプラスイメージとマイナスイメージがあります。色の使い方や色が持つイメージなど、ドアに限らずインテリアでちょっと役立つ色の知識をまとめてみましたのでご覧ください。
まずは「紫」です。
プラスイメージは、高尚で女性的。また洗練性や都会的なイメージもあります。一方、マイナスイメージは、低俗、夜の遊び、といった印象だったり、地味で不幸なイメージも持っています。お葬式で使われるからそういうイメージがあるんでしょうね。
次はこちら、家具でもよく使われるブラウンカラーを見てみましょう。
プラスイメージは、温かく包み込むような安心感、ナチュラルで落ち着いたイメージが共通しており、こげ茶やベージュは品格を感じさせます。一方、マイナスイメージは地味で洗練されていない。質素、陰気なイメージとされています。
最後は、白・グレー・黒などの無彩色です。
まず、グレーと黒ですが、プラスイメージは、品格感、洗練性が共通しています。グレーには知的なイメージ、黒は格調や重厚などのイメージです。一方、マイナスイメージでは、黒やグレーは地味で寂しく暗いイメージがあります。
次に、白です。
品格感、洗練性はグレーや黒とも共通したプラスイメージですが、白にはさらに清浄、高級感、エレガントさが加わります。そして、マイナスイメージは、…実は、ほとんどないんです。実はフルハイトドアも白系が圧倒的な人気カラーなんです。
無彩色「ホワイト/グレー/ブラック」の使い方
先程も書いたように「白」はマイナスイメージの少ない色ですが、インテリアや空間づくりの観点でみても、とても扱いやすい色です。一方で「黒」もまた、どんな色に対しても美しい調和が得られる優秀な色と言えます。「白」と「黒」そして中間の「グレー」の3色を無彩色と呼び、インテリアでも好まれています。このモノトーン配色は明度によって印象が変わってきますのでそれぞれのお部屋で見てみましょう。
まずはこちらのお部屋です。
白い壁に黒いドアでくっきりし印象ですね。このように明度差が大きいと色の境界がはっきり見えるのでメリハリがきいたお部屋になります。
次にこちらをご覧ください。
薄いグレーの壁に中間のグレーのドアを配置して、インテリアにも明暗混ざった配色をしています。このように明度の違いに規則的な変化を与えることで美しいグラデーション配色が生まれ落ち着いた空間になります。
最後はこちらです。
白い壁に白いドアで、家具やインテリアには薄いグレーが使われています。全体的に明度差が小さいので境界が曖昧になり、お部屋の印象はソフトになります。そしてなにより白を多く使っているのでお部屋が明るいですね。
上記の3つのパターンを並べて比較するとこのようになります。
日常生活で感じられている方も多いと思いますが、白にはお部屋を明るくする効果があります。こちらの写真はドア・キャビネット・テーブルをそれぞれ白と黒にした比較です。いかがでしょうか、やはり白の方が明るくて広く見えますね。
このように白をたくさん取り入れることでお部屋が明るくなる事は私たちは体験的に学んでいます。ただし、ちょっと注意したいのが照明の色による白の見え方の違いです。白は光の影響がもろに出るのでどんな照明を使うかで室内の見え方が全く変わってしまいますので白いドアを考えている人はぜひこの先を読んでいただきたいと思います。
③光源による「白」の見え方の違い
「色温度」という言葉をご存知でしょうか。
これは光の色を温度表記したものです。実際に熱を持っているわけではないのですが数値化されているので例えば電球を選ぶときにはこの数字を参考にして選ぶのがいいと思います。
これを見ていただくとわかると思いますが、この数値によって色が大きくかかわってくるんです。数値が高いほど青みが強く、低いほど黄色味が強くなります。一番色温度が低いのが日の出やロウソクの炎の色で2000ケルビンです。かなり赤味が強いですよね。逆に一番高いのが快晴の北の空ということです。
これを電球の光源に当てはめてみるとこうなります。
左から黄色い順に、電球色→温白色→昼白色です。これだけ色が違うと、ドアの色選び段階で注意が必要になります。以前ショールームに来られたお客様がパリオシリーズのビアンコ色(フルハイトドア®の中で一番真っ白なホワイト色)を気に入られて面材サンプルをもって帰られたました。そしてその夜、ご自宅で持ち帰ったその面材を見られたところ思っていたより真っ白に近かったので、色を間違えサンプルを渡されていると思ってお問い合わせされたんです。元々ビアンコは真っ白に近い色なので最初は話が少しかみ合わなかったのですが、よくよくお話をお聞きすると理由が分かったんです。
それは照明の色の違いのせいでした。ショールームの照明は実際のリビングで多く採用される電球色にしていたので黄色みが強く、真っ白な近いビアンコがアイボリー色のように見えていたのです。ところが、ご自宅のリビングの照明は蛍光灯で青白い光だったので、ショールームで見た色とは違ってより真っ白に近い色に見えて違う色だと思われたんです。同じ白でも照明の色味によって、実はこんなに見え方が違ってしまいます。フルハイトドアにも5色設定されているホワイト色ですが、それぞれの色自体も違いますし、ちょっとした色味の違いでも印象が全然違うので、照明も重要になってきます。
照明の色はご家族ごとの生活スタイルによって変わると思いますが、経験上からお話しすると、照明を点ける夜の時間帯に読書したり細かい仕事をするなら昼白色か温白色(オンパクショク)。基本的にゆっくりくつろいで過ごすスタイルなら電球色か温白色がお勧めです。ライフスタイルに合う光を色々試してみられたい場合には、リビングには調光式の照明が役に立つと思います。
リビングを心地よい空間にするには、ドア選びも重要なポイントです。前編ではガラスドアの選び方を中心にお話しましたが、こちらの後編では、ドアの選びの際にぜひ知っておいていただきたい、ドアカラーの特性や印象、照明による見え方の違いなど基本についてお話しました。
みなさまのお家づくり、またドア選びの際に参考にしていただけたら幸いです。
前編はこちら